Soweto Gospel Choir

“Voices from Heaven” ライナーノーツ

1. Jikela Emaweni (岩の周りを一回り~若者たちのファイティング・スティック)
コサ語のこの歌を1960年に録音し、世界に広めたのは、南アフリカの歌姫ミリアム・マケバでした。また、南アフリカのミュージカルUMOJA(ウモジャ)の中でも歌われています。ここに出てくる木の棒とは、ズールー人の伝統的な「スティック・ファイティング」に使われる棒のこと。スティック・ファイティングとは、剣術のような競技であり、彼らの男性性や民族性を表すものでしたが、現在はこの伝統もすたれつつあります。この歌は、その戦いから逃げ出したい男性の心境をひやかしています。スティック・ファイティングの敗者は、勝者がこの歌を冷やかして歌っている間、岩陰に隠れていなくてはいけません。
(歌詞大意) 若者たちは、川岸で戦うために、木の棒を携えている。男達は戦うのはビクビク。俺は大きな岩のまわりを歩いたら、そのあとトンずらしようかな。男達はくるりと回り、とても上手にダンスする。男達は体を揺らして、上手にダンスする。奴らがダンスするのはRadebeのため。俺は大きな岩のまわりを歩いたら、そのあといなくなっちまう。

2. Vuma (天国を信じなさい。そこには約束がある)
ズールー語によるトラディショナル。
(歌詞大意)神様を信じなさい。そうすればあなたは救われます。天国には、希望と約束があります。ただひたすら信じなさい。あなたは救われるのだから。

3. Thina Simnqobile (我らは悪魔に勝利した)
ズールー語によるトラディショナル。
(歌詞大意)奴は逃げ去った。我らは奴を乗り越えたのだ。子羊の血潮によって、我らは悪魔に打ち勝った。 注:この場合の子羊とは、神の子羊すなわち、イエス・キリストのこと。

4. Zanele (ザネレ!美しき女性)
Zaneleとは女性の名前で、ズールー語で歌われた求婚の歌。男性はなぜ自分のプロポーズに、彼女がすぐに答えてくれないのかと懇願しているのです。
(歌詞大意)Zanele! なぜ僕たちは君のために戦うのだろう。君が僕のそばに来てくれるなら、僕の希望や願いもすべてかなうのに。君へのこの愛はとても強い。僕は君のためなら、命も捨てられる。

5. Paradise Road (楽園への道)
南アフリカのミュージカルUMOJAで歌われている曲です。
(歌詞大意)楽園への道を、僕と一緒に行こう。こっちだよ。僕が君の荷物を持ってあげる。これは信じなくちゃ。楽園の空へ、僕と一緒に行こう。外を眺めてごらん。瞳をひらいて。これが君の信じなくちゃいけないこと。僕たちの未来には素晴らしい日が待っている。僕たちの過去には、燃え落ちる橋がある。火煙があがる。空が燃えさかる。泣きながら待っている女がいる。若い男は、すべて愛のためならノックアウトされちまう。早くしないと楽園は閉まっちまう!さあ僕の手をとって。

6. Ahuna Ya Tswanag Le Jesu(イエス様をおいて他にない)/Kammatla(讃美のクワイト)
2曲のメドレー。1曲目:Ahuna Ya Tswanag Le Jesuはソト語のトラディショナル。
(歌詞大意)イエス様のような方は他にはおられない。私はいたるところを探したし、いろんなところに出かけけれど、あのようなお方は探せなかった。そう、そして私はイエス様に出会ったのだ。 2曲目のKammatlaは、讃美のクワイトソング。クワイトとは、1990年代半ばに登場した南アフリカ流のヒップ・ホップ音楽のことです。DVDでは、二人の男性ボーカルが、2曲目はラッパーのような帽子をかぶって歌っていますね。南アフリカ発のヒップホップ風ゴスペルと言えるでしょうか。
(歌詞大意):僕たちがジャンプして飛び跳ねた時、僕らは神様を讃美するのさ。僕たちは、ダンスして足を踏みならし、そうやって神様を讃美するんだ。

7. Many Rivers to Cross/Going Down to Jordan/Amen 1曲目はレゲエ歌手ジミー・クリフによる♪Many Rivers to Cross、2曲目はハリー・ベラフォンテの♪Going Down to Jordan(邦名:ヨルダンめざして)、3曲目は有名なゴスペル曲♪Amenのメロディに、1曲目・2曲目の歌詞をのせて、最後は軽快に洒落た3曲のメドレーにしています。
(歌詞大意)♪Many Rivers to Cross:渡るべきたくさんの川。でも私は自分の行く手を見つけられそうにない。ドーヴァー海峡の白い崖を旅しながら、迷いさまよっている。私をどうにか生きさせているのは、自分の意思だけ。私は長らく傷つき、疲れ果てていた。ただ私は自分のプライドだけで、生きながらえてきた。♪Going Down to Jordan:ヨルダン川を下れ。天国への道を歩いていくんだ。子どもよ、泣くなら泣いてかまわない。天国に行きたいのなら、子どもよ、泣くなら泣いてかまわない。

8. Amazing Grace(アメイジング・グレース)
世界中で愛されているゴスペル曲、アメイジング・グレイス(驚くばかりの神の恵み)を、アカペラで歌っています。あまりに有名なこの曲は、元奴隷船の船長であったイギリス人ジョン・ニュートンが、自分の人生を回顧・反省して、歌詞を作りました。ニュートンは牧師となり、のちには奴隷貿易廃止にも、尽力しました。
(歌詞大意)アメイジング・グレイス。なんと甘美なるその響き。我の如き愚かな者をも救いたもう。かつて道に迷いし我も、今や神に見いだされ 盲いていた我も 今や目が見える。

9. Thula Baba(子守歌)
ズールー語の子守歌を、女声のみで歌っています。冒頭は子どもを寝かしつける叙情的な歌詞ですが、歌詞後半では、こどもたちの父親が不在であることがわかります。
(歌詞大意)静かに眠れ、愛しい私の子ども。静かに眠れ、愛しい私の赤ちゃん。静かにしてね、お父さんが夜明けまでには帰ってくるわ。空にはお父さんが家に帰るのを導く星があるの。その星がお父さんの帰り道を照らすのよ。丘や岩も私の愛と同じ。お母さんの人生は変わってしまった。ええ、私の人生は変わってしまった。子どもたちは大きくなるけど、でも貴方(夫)は私の愛を知らない。子どもたちは大きくなった、でも貴方は子どもたちの成長を見ることはなかったの。

10. Sikulandile(僕らは花嫁を連れ去った)
ズールー語によるユーモラスな結婚の歌です。
(歌詞大意)僕たちが花嫁をいただき!でも花婿は、俺達に君を戻して欲しいってさ。君がいなくなって彼が独り身になったら、彼は嘆くからな。結婚して幸せになりなよ。

11. Malaika (僕の美しい天使)
マライカとはスワヒリ語で、天使=恋人の意味。スワヒリ語の恋歌として、とても有名な曲で、ケニアだけでなく世界的に有名な歌となっています。
(歌詞大意)マライカ、君は僕の天使さ、愛してる。でも、僕にどうしろっていうんだい。君の恋人の若い僕には、結婚するお金が ないんだよ。金のせいでみんなぶちこわしさ。君と結婚できたら、 どんなにいいだろうね... 金、金、金が、僕のこころを苦しめる。

12. Hlanganani(アフリカの統一)
ズールー語で、心から絞り出すように歌われた歌です。アメリカの黒人霊歌には、旧約聖書を題材に、エジプトを出たヨシュアらが、ヨルダン川を渡って、神からの「約束の地」に到着する(=奴隷の身から自由になる)ことを歌った歌がたくさんあります。このアフリカ統一の歌も、このエピソードを背景に作られています。
(歌詞大意)統一せよ。アフリカ人よ統一せよ。魂をひとつにせよ。なぜなら、私たちの祖国は破壊されたから。我々はもうヨルダン川を渡ったのだ。そして彼の地に着いたのだ。そこで、私たちは救い主に出会う。

13. Bayete (おお!万歳!)
ズールー語のトラディショナルで、様々な表現で神をたたえた歌です。歌詞の中の「ユダのライオン」「アルファでありオメガ、すなわち始まりであり終わりである」というのは、共に新約聖書の「ヨハネの黙示録」に出てくる表現で、「教会の頭」というのは、「エペソ人への手紙」に出てくる言葉です。キリスト教のゴスペルでありながら、ラスタ教のシンボルにもなっている「ユダのライオン」が、出てくるあたりが、アフリカ的ともいえるでしょう。
(歌詞大意)嗚呼万歳。万歳。ユダのライオン。あなたは教会の頭。アルファでありオメガ、すなわち始まりであり終わりである。偉大で力強い神よ!天の王座に座っておられる。あなたは真実の盾。

14. Jerusalem(エルサレム)
ズールー語によるトラディショナル。エルサレムはキリスト教だけではなく、ユダヤ教・イスラム教の聖地でもありますが、特にクリスチャンにとってエルサレムは、イエス・キリストが教えを述べ、十字架にかけられて、死して後に復活した、とても大きな意味のある街です。この歌ではエルサレムを、イエスによる救いが成就した街として歌っています。
(歌詞大意)エルサレムは私が愛する故郷。私の願いも望みもあなたのため。私の瞳は「救いの都」の美しき門と黄金の道を見る。

15.Holy City(聖なる都)/Bayete
Holy City「聖なる都(邦題:永遠の神の都)」。こちらも14番の曲と同じく、エルサレムを歌っています。Holy Cityは、もともとは長い歌で、新約聖書のイエスのエルサレム入城、カルバリの十字架、新天新地の3つのテーマについて歌われていますが、ここではイエスのエルサレム入場の場面のみを歌って、さらにズールー語のBayete(万歳)という歓声をかぶせています。
(歌詞大意)エルサレム。声をあげて歌おう。いと高きところにホサナ!王にホサナ!我々は神よあなたを歓迎する。我々は天国を歓迎する。

16. African Dream(アフリカの夢)
(歌詞大意)私のアフリカンドリーム、そこには新しい明日がある。アフリカンドリームには、私たちがついていきたい夢がある。私の希望は、儚いまぼろしのように見えたかもしれないけれど、私のアフリカンドリームとは、混乱が終結すること。これが私のアフリカンドリーム。さあ声をあげよう。歌いハーモニーを作ろう。あなたも私も、ひとつになって暮したい。戦いも怒りもない、これが私の土地。これこそがあなたの土地。平和のために祈ろう、平和と愛と調和を祈ろう。

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